「その瞬間だけ思い出す」
これ、なんだか素敵じゃないですか。
普段はさして思い出されることもなく
人の脳みそに働きかけることもなく
存在をひそめているのに
あるトリガーが発動すると
割とはっきり思い出される。
そんな人。
人の記憶に残ることに対して
多少の怖さがある自分みたいな人間にはぴったりな立ち位置。
どういったことで思い出されるのかにもよりますが、
できるなら、良くも悪くもない、
ただの日常の中にひっそり佇んでいるくらいが良いなぁなんて。
たとえば、草花に対して別段興味のない人が
つくしを見たら、
あーあんな人もいたな。それでなにか口笛とか吹いてたっけ。
くらいのゆるぅい感じで。
この思い出に対して、嬉しくも悲しくもない、
感情をわざわざ乗せる必要さえなくて
思い出した人のテンションに影響を与えない記憶の中の人。
思い出されるのが「瞬間だけ」というのがミソ。
居るのに居ないともとれるし、
居ないようで居るともとれる。
居るんですよね、これが。
そんな人。なるならそんな人。