世界の車窓からもどき

車窓から望む景色
新緑の瑞々しさが次々と出迎えてくれる。


新幹線は山あいを通ることが多い。
ただ静かに外を眺めていると不思議な気持ちになる。

ものすごいスピードで走り去る事実(物理的な移動)と
自分の身は風の抵抗も疾走する音も受けず
コマ送りで移り行く景色を受け入れるだけ。

 

その過ぎ去っていく景色の中に気持ちを馳せてみた。

きっと、ここに身をおいたら
湿って少し重みのある空気を
むねいっぱいに吸い込むことになるのだろうな。

 

なんて考えていたら、深い呼吸から
潤いがみなぎってくるような感覚になった。

実際は一瞬でも、
ゆっくりと時の流れる空間を体験したかのような
アクシデントがあったときに感じるスローモーションのような
ちょっとした脳内トリップが起こった。

ぼーっと外を眺めて脳を休める。

 

ここ最近頭の中が忙しかったから、
このほんの一瞬の解放をきっと欲していたんだろうな。

 

たまたま視線を落とした先にあった時計に目をやったら、
1時間半経過していた。
体感3分。

 

一瞬ではなかった事実。プライスレス。